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ブログ ダウンカットとアップカットについて

フライス加工を行うにあたり理解しなければならない基礎知識の1つとして、切削方向が挙げられます。VisualCAMの2 1/2および3軸ツールパスの多くは、切削方向をダウンカット、アップカット、ミックスの3つから選択します。


ダウンカット

ダウンカットでは、最初に幅広く加工材を除去し、最後に狭い端部が除去されます。
切削された材料は工具の後ろに廃棄されるので、廃棄された材料を工具が再度切削する機会は減少します。またダウンカットでは、加工材に対する摩擦が低減されるので、工具の摩耗を減少させることができます。

ワークに対する力は、工具が最大サイズの加工材を除去している際に最大となります。この時点で力は、ワーク上に真っ直ぐに向けられます。しかし、力が急激に増加するため、工具バックラッシュの積極的な管理が必要となります。
ダウンカットは、より品質の良い表面仕上げとなるので、好ましい切削方法となります。しかし、各切削の開始時に大きな力が発生するため、機械およびスピンドルはより剛性でなければなりません。


アップカット

アップカットでは、切り口底部の狭い端部が先に除去され、幅の広い端部が最後に取り除かれます。切削された加工材は工具の前で上方に廃棄されます。そのため、加工材の再切削が起こる可能性があり、表面仕上げがより粗くなる可能性があります。
またアップカットでは、工具が材料を除去していない切断の開始時に、工具と加工材との間に摩擦が発生するため、工具の摩耗を増加させる可能性があります。

ワークに対する最大の力は、工具が最大限食い込んだ後、ワークとの接触を失った際に発生します。しかし、切削力はゼロから最大値まで急激には増加しません。
通常はダウンカットが好ましいですが、表面仕上げが粗い、または硬化した材料を加工する場合などに、アップカットが使用されることがあります。これらの材料をダウンカットで切削すると、工具の刃が最初に材料と接触する際に不当な力がかかる可能性があります。


ミックス

ミックスでは、同じツールパス内で2つの切削方向を組み合わせを使用します。この切削方法は、非常に少量の材料が除去されている際に、仕上げ加工用に使用されます。ミックスは、工具の移動とリトラクトの回数を減らすことができるため、加工時間の短縮が可能です。


まとめ

ダウンカット

1.加工材の再切削が少なく、高品質の表面仕上げが可能です。
2.工具の摩耗が少ないため、工具寿命が延びます。
3.工具のたわみが増しますが、切断力が加工材に向けられるため、必要な固定が少なくなります。
4.機械とスピンドルはより剛性が必要です。

アップカット

1.加工材の再切削が起こりやすくなり、表面仕上げは粗くなる可能性があります。
2.工具が摩耗しやすくなり、工具寿命が短くなる可能性があります。
3.切断力がワークから遠ざかる場所で発生するため、より多くの固定が必要です。
4.機械とスピンドルの剛性を低くすることができます。

ミックス

1.ダウンカットとアップカットの両方が同じツールパス内で使用されています。
2.仕上げのパスに使用されます。
3.工具の移動時間と加工時間を短縮できます。